経営とは何か。その極意を、7日間(7章)の短期集中講義の形で伝授しようというのが本書の狙いである。初出は、日本経済新聞に2002年1月から半年間、「やさしい経済学──経営入門」として連載されていたシリーズ。経営学界の重鎮だけではなく、経営者らによる、自らの経験をベースにした講義も収められている。 経営学とはどんな学問なのかを取り上げた、第1日目の「経営学とは」から始まり、基礎知識から実践的な理論までをかみ砕いて説明しているため、経営学を学んだことのない人にもわかりやすい内容となっている。また、本書全体が戦略論と組織論に大別されており、それぞれの項目で内容が完結しているため、自分が興味を持ったところだけを読んでも違和感がない。紙幅に制限があるなか、情報を整理して掲載する新聞連載の読みやすさが生きた1冊となっている。 また、研究者と経営者、双方の視点による経営論がバランス良く配置されているのも本書の特徴である。特に、第3日目の「戦略を具体化する」に収められた、鈴木敏文セブン?イレブン・ジャパン会長や、柳井正ファーストリテイリング社長による実践的な講義には、学問的な論述とはひと味違う説得力がある。また、巻末に特別講義として収められた、御手洗冨士夫キヤノン社長と野中郁次郎、加護野忠男の座談会も、座学と実学との相互関係が垣間見られて興味深い。本書だけで経営学がわかった気になるのは早計であるが、実践的な知識を身につけたい社会人や、これから経営学を学びたいと思っている学生に役立つ1冊である。(朝倉真弓)
やさしい・・・? タイトルに惹かれて購入しましたが、教授陣の論文がまるで頭に入らず、経営学とはかくも難解なものなのかと驚きました。
恐らくビジネスの一線で働いておられる方や、大学で経営を学ばれた方にはやさしい内容なのだと思います。
しかし、残念ながら私のような知識不足の素人にはハードルの高い一冊でした。
本書については、他の入門書で経営学を学んでから読み直してみたいと思います。
経営学初心者には 難しすぎてよく分かりません。素人にはちっともやさしくなかったのでこの評価です。
さすが日経新聞! 「やさしい経営学」という書名、文庫本という体裁。これだけ見ると「大したことない本かな?」と思ってしまいそうだけど、なかなか良い本でした。
この本は、日経新聞の人気(と自分では思っている)コーナーである「経済教室」に「やさしい経済学?経営入門」と題して連載された記事をまとめたものとのこと。
執筆陣はさすが日経という豪華さで、野中郁次郎氏に始まり、伊丹敬之氏、藤本隆宏氏、國領二郎氏、加護野忠男氏といった学問として経営に携わってきた人たちに加え、キヤノンの御手洗氏、セブンイレブンの鈴木敏文氏、ファーストリテイリングの柳井氏、IBMの大歳氏など、総勢17名が様々な視点から「経営」の解説をしてくれています。
扱っているテーマは大きく分けると戦略論と組織論で、各氏が自分の専門テーマを中心に説明しています。どのテーマもだいたい30ページ以内にまとめられているので、各テーマの概要をつかむには最適で、とても読みやすいです。
もちろん、ここから得られるのは概要でしかないので、これをきっかけに各執筆者の著作や、よりレベルの高い経営書に進んでいくのが良いかもしれません。
すばらしい企画の文庫本 ・今の日本では彼らをおいて「経営学」を講義できる人たちはいないであろう、と思われる執筆陣である。まさにベストな企画である。
・また、7日間の講義形式になっているから読みやすい。
・さらに、野中先生が先手で組織論を展開され、実務家では御手洗冨士夫氏、柳井正氏や鈴木敏文氏まで登場している。他の方も蒼々たる面々である。
・本書は日経新聞に記載されたが、文庫本になり後世にも残るのでベストな企画である。
・初学者の方には必読・必携の一冊であろう。
企業人ならすべての人に有効 経営者でなくとも、企業に勤める人ならば、知っておくべき内容をやさしい文章でつづった本である。
その道の権威である研究者と経営者が執筆しているだけに充実度が高い。値段と比較してかなりのバリュー商品であるのに間違いはない。
就職活動中の学生は、会社選びの基準として先輩から話を聞くために、新入社員、若手中堅の方は、自分の会社は大丈夫なのかと不安になったら読んでみると良いでしょう。
一般化・抽象化された研究者の理論から、経営者の実践の話まで説得力のある内容でした。
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